プロフィール

2006年の年の暮れ、ある日の早朝にみた夢の中で「また再び筆をもったら面白いことになるよ」という啓示の声を聞く。小さい頃に習ってはいたが、特に書道が好きだったわけではなかった。大学生の時、就職試験の一芸面接を書道で挑んだ際、20歳頃から発症したバセドウ病の影響と緊張とで筆を持つ手がブルブルと震え書が書けず大失敗。その経験から書道恐怖症になってしまい、それ以来は二度と筆を持たなくなっていた。

もう二度と書くことはないと遠ざけていた筆を再び持ってどうなるっていうの?とは思ったものの、以前から何度もこの時間帯に見てメモした夢のメッセージを言われた通りにやってみるとありえないような奇跡が起きるという不思議な体験をしていたので、恐るおそる書道の筆を取り出し書いてみると…。紙の上で楽しそうに遊んでいるような文字がいっぱい現れて、こちらに何かを語り掛けてくるような生命力を持った字が紙の上に次々と現れ出たのである。それからというもの、私は書を通して内なる宇宙(魂)からインスピレーションを受け取れるようになったのである。

そこから紆余曲折を経て、2012年に私は内なる魂に従い自分本来の個性と才能を惜しみなく活かして生きる!チャレンジをするために家業のスーパーのマネージャーから書道アーティストへと転身する。それ以来、自分の肚を通して内なる宇宙と繋がることで、宇宙(魂)から湧き上がってくるインスピレーションを書き付けた書作品を創作し、個展で発表するようになる。そして宇宙書道の書法で書けば、誰でも自分の宇宙(魂)と繋がれる書道のワークショップも開催。2016年からは日本を元気にしようと思い立ち、大筆をもって屋外に飛び出し、日本の自然豊かな景勝地や歴史的建造物の前で筆を振り回し、土地の気を受け即興で書く大筆パフォーマンスもするようになる。

しかし思うように仕事が広がっていかず、やはり正統な書道ではない私の書は誰からも求められていない…と思うようになってしまう。そこから人の役に立つようないいことを書かねばと頭で考えて書くようになってしまい…そんな書はエネルギーも弱く、訴えかける力もない。どんどん自信を失くしていった私は、自分がやっていることは誰の役にも立っていない…私は一体何をやってるのか…私のやってることは自己満足でしかないんじゃないかと苦悩葛藤する日々を送ることに。そしてこの状況を何とかしようと焦った私は色んな方に教えを乞うて宇宙書道のビジネス展開のやり方をあれこれ学んでみるものの、「いつも最後のところでうまくいかない」ことを繰り返し、長い期間、精神的にも経済的にも厳しい状況を味わうこととなってしまう。  

啓示の夢をみて、書を使って人に貢献する仕事へと導かれたはずなのに全然うまくいかず焦るものの空回り続ける日々が続く。2022年の秋、何でもないような小さな段差につまずき転んで足首の靭帯を損傷、強制終了。今一度立ち止まって自分をよく観てみろ、受け取っているメッセージを打ち消すな、自分をしっかり信じて進め。と言われているように感じ、松葉杖となった私はもう一度自分自身と真剣に向き合う。そこでやっと、内なる魂の声に従って生きると決意したはずなのにいつの間にか自分の人生の操縦席に他人を座らせようとしていたことに気づく。他人や外側に答えを求め、自分の宇宙(魂)を無視した生き方は自分を苦しめ、望みを遠ざけ、うまくいかない現実を創り続けてしまう…。
『書を使って表現したい、受け取ったメッセージを伝えたい、うちなる宇宙(魂)の声に従って生きたい』のに自分の書道を邪道のように感じどこか後ろめたいような気持ちのままやってきた。そのことでいつの間にか自信をなくし、自分の内側の声を無視して外に答えを求めるようになってしまった私。

自分の日々の態度や感じていることが人生を創っているんだということを、長い年月をかけて思い知らされた。でも、苦悩葛藤をしてきたからこそ、たくさんの気づきや学びを得て、本当の自分を生きることの大事さと歓びを知った。その思いや気づきを、生きてメッセージを伝えてくれる書で表現し、人々に伝えていきたい。本当の自分の望みを知り、自分の能力や資質を丸ごといかして生きる人を増やしたい。日本を、日本人を元気にしたい。そんな思いで作品を創り現在に至る。
京都、東京にて5回の個展を開催。2024年4月京都にて作品展開催予定。